生活習慣病CKD透析回避プラザ|生活習慣病、慢性腎臓病(CKD)、慢性腎不全、人工透析、血液浄化療法等について情報を発信しています。生活習慣病を改善し、腎臓病を減らし、透析を回避することを目指しています。様々に手を尽くしても透析療法を始めた方には健康で長生き、自立し、自分で歩けるが目標です。

口は老化防止の最前線

〈DDS Doctor’s Detox Solutionをご存じですか? 〉

二酸化塩素の殺菌効果を巧みに応用、利用した新しいタイプの比類無き口腔ケア用品です。そして、社会福祉法人仁生社江戸川病院グループでお取り扱いしています。

 

さて、そもそも、ヨーロッパでは上下水道における水の消毒に広く使用され、アメリカでは塩素によるトリハロメタン類(発がん性の懸念)の生成が指摘されてから、二酸化塩素を水道水の殺菌に用いられるようになってきています。日本でも、2001年上水試験解説によると、2001年から水道処理施設において二酸化塩素が消毒剤として使用されています。

二酸化塩素はあらゆる細菌・ウイルスに非常に優れた殺菌効果を発揮し、最も殺菌剤に抵抗性を持つ芽胞を形成するようなボツリヌス菌などの細菌であっても、二酸化塩素ガスによって殺菌することが可能であります(アメリカで起きた炭疽菌テロ事件において、二酸化塩素がその消毒剤として使用されたという記録があるほどです)。

しかも、エンベロープ(脂質細胞膜)を持たないウイルス、例えばパルボウイルス(最も小さい部類のウイルス)などは、エタノールや塩素によって殺菌することは難しいことででよく知られていますが、これらに対しても有効なのが二酸化塩素なのです。

 

  二酸化塩素をヒトのために巧みに利活用したのがDDS Doctor’s Detox Solutionというわけです。

DDS Doctor’s Detox Solutionの威力を他の溶液と比較して見またのが上記の一覧表です。

2.5 分間作用でのMBC 濃度の比較しています。   これは、((財)日本食品分析センター 試験報告書 第NA66070378号(平成5 年8 月23日)(全11 項)からのまとめ)11 項)からのまとめたものです。なお、MBCとは、最小殺菌濃度でして、これらを求めるために、 石炭酸係数(フェノール係数)測定法に従った試験を行っております。すなわち、 試験液10mL に菌液1mL を加え十分に撹拌後、室温(約20℃)で2.5、5、10、15 分間作用させ ています。各作用時間経過後にその一白金耳量をとり、滅菌後室温まで冷却した0.2%肉エキス添加普通 ブイヨン(栄研化学㈱)に接種し、これを35℃、2 日間培養して菌の増殖の有無を肉眼で確認したとのことです。 DDS Doctor’s Detox Solutionがいかにきちんとした根拠にもとずいた試験をしているのが分かります。

 

 

〈二酸化塩素はヒトに有害か?安全性をどう担保すればよいか〉

皆さんは、やはり、二酸化塩素の安全性が気になるのではないですか?ごもっともです。

そこで、二酸化塩素の安全性について蘊蓄を傾けてみたいと思います。

二酸化塩素は応用範囲が広く、海外では広範な産業分野で利用されています。安全性について2001年日本水道協会が発刊した「上水試験方法解説」から抜粋しますと、『ごく、簡潔に要約すれば、二酸化塩素には発ガン性、催奇原性などはなく、塩素と同じように使う事が可能であり、トリハロメタン類をほとんど生成しないことや、塩素と比べて残留性が低いことを考えればより安全に使用することが可能である。』と記載されています。

▼二酸化塩素の米国での安全基準

アメリカでは、世界有数の厳しい評価基準を持つFDA(米国食品医薬品省)やWHO(世界保健機構)などでも安全性が証明・保証され、うがい薬・歯磨きにも使用され、カナダ・欧州などにおいても、浄水やプールに使用されており、日本では製麺や食品の漂白、水道水やプールの殺菌・消毒になどに使用が許可されています(厚生労働省、経済産業省飲料水の前処理消毒、小麦粉漂白、プール、公衆浴場水消毒、一般抗菌、消毒に使用許可)。

※消防法及び毒劇物取締法指定外

WHO(世界保健機関) 最も安全なレベルA1クラス認定

JECFA(国連食品添加物専門委員会) ADI(人体摂取許容基準)A1クラス認定

FDA(米国食品医薬品局) 食品添加物、医療用消毒許可

EPA(米国環境保護局) 飲料水、工業排水処理、環境浄化用に使用許可

USDA,FSIS(米国農務局、食品安全検査局)食品・食肉消毒使用許可

NASA(米国航空宇宙局) スペースシャトル内及び宇宙食の完全滅菌に採用

HACCP(米国食中毒予防計画) 食中毒発生危険度の高い食肉消毒に採用

▼諸外国多国が水道水の消毒・医療用・食品添加物として使用許可

注)二酸化塩素は、その安全性の高さが誇大に広告されることがあるが、殺菌性能(CV値)があるものに天然物を含めて全く無毒の物質はなく、濃度等の条件によって毒性が発現する。毒性学の祖といわれるParaculsusが、「全ての物質が有毒であり、有毒でない物質はない。ただ有毒でない使い方があるだけである!」と述べている通り、安心して使用できる量・使用方法を見極めることが安全性評価の本質である。他の消毒性物質、亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム、塩素、オゾンの物理化学的性質、毒性評価(毒性症状、急性毒性、発癌性、水生生物に対する影響)、法規制、許容濃度、管理手法などに関して比較されたものである。

 

〈二酸化塩素の法基準と危険性についても知っておこう〉

▼二酸化塩素の法律上の扱い

水道法においては二酸化塩素濃度0.6mg/L・亜塩素酸濃度0.6mg/Lとなっていますし、食品衛生法においては、亜塩素酸について食品添加物として、生食野菜・卵殻・蕗・桃などの消毒剤として認可されています。

また、労働安全衛生法では、TLV-TWA(時間加重平均許容濃度)として0.1mg/Lとなっています。亜塩素酸イオンについても、それ自体は水中で塩素と反応すると、無害化することが知られています。

▼二酸化塩素の発がん性

国際がん研究機関の評価では、ヒトに対する発ガン性はないとの見解が出されています。

次亜塩素酸などは、有機物などとの反応によって発がん性のあるトリハロメタン類を生成する可能性がありますが、二酸化塩素はこれらのトリハロメタン類を生成することはありません。

 

さて、「口は災いの元」「口は災いの門」と申しまして、不用意な発言で身を滅ぼすとか、言葉が自らに災難をもたらしかなない事への戒めのことわざがあります。これに類した外国の諺に「沈黙は金 雄弁は銀」というものもあります。これらは、うかつに言葉を発するべきではないという戒めです。

ところが、2012年11月15日のNHKクローズアップ現代では、記録的な長寿で話題となった双子姉妹のぎんさんのお子さんの4姉妹の長寿の秘訣が話題になっていました。彼女たちの会話にその答えが有るようでした。すなわち、脳血流をみると、初めての人との普通の会話では特に増えない血流が、4姉妹が会話し出したら脳の血流が著しく増えるというのです。ボケと突っ込みでわいわいがやがや楽しく会話するのが長寿をもたらすというのです。「口は幸せの元」「口は幸せの門」「沈黙は銀 雄弁は金」というわけです。よくしゃべる人は長生きするというのです。女性が男性より平均寿命が長いのは、コミュニケーションの量が関係していると主張する人もいるくらいです。

逆に、話し相手のいない独り暮らしの高齢者は、老け込むスピードが速いこともよく知られていますので、「口は幸せの門」というべきかもしれません。

この特別企画号を執筆するにあたって、大いに参考にさせていただいた斉藤一郎先生の著書「不老は口から~アンチエイジング最前線~光文社(2005)」では、先生は著書の冒頭であなたの老化は「口」しだい、口をよく使う人は健康であると述べられています。

まさにその通りです。ぎんさんの4姉妹の場合の口は、楽しそうに話すであり、心に思ったことを面白くなるように考え、どんどん発展させ、話題も次々と見つけて話すと言うことなのです。口全体、思考回路を動かすということですが、その上に、口腔を清潔にし、種々手入れを怠らないようにすると、老化防止のためには鬼に金棒の生活習慣の確立という訳です。口は老化防止の最前線なのです。口腔ケアはそれで全てが解決するかもしれない最重要戦略の一つなのです。

さて、当然、食べる、飲むは生命維持の基礎です。そんなわかりきった話をするつもりはありません。本稿では何故、口全体を動かすということが大切なのかと言うことについて、お話しします。思考回路を回転させることの重要性は別の機会にしましょう。

 

口をもぐもぐ動かしてみよう

さあ、ガムでもお口に入れて少しお行儀は悪くなりますが、もぐもぐしてみて下さい。

どうなりますか?まずは歯で噛みますね。食べ物を噛むときはと言いますが、噛むためには顎の筋肉、口の周りの筋肉、ベロの筋肉が伸びたり縮んだりしています。そして、間もなく唾液が出てくると思います。この三つのことが非常に重要です。これらの機能が低下するということは、すなわち口の機能が低下することであり、老化の始まりなのです。

まず、自分の歯で食事を摂れていますか?義歯はありますか?ご自分の歯いくつありますか?しっかりかみ砕いてから飲み込んでいますか?ベロをしっかり動かして飲み込んでいますか?唾液は出ますか?口の渇き易くないですか?

これらが少しでもあれば、お口の機能は低下し始めているか、既に進行しています。それこそ「口は災いの門」に変じたという訳です。

 

今、あなたはご自分の歯がいくつありますか?

確かに年を取って自分の歯が減ってきている人を多く見かけます。

平成11年の全国調査では、「親知らず」を除いて28本あった歯が大凡ですが、40~44歳で26.2本、50~54歳で23.6本、60~64歳で19.99本、70~74歳で12.44本だったということです。想像以上に自分の歯を喪失している人が多いのです。このため、厚生労働省と日本歯科医師会は「8020運動」という80歳になっても自分の歯を20本は持とうという運動です。ちなみに私は今66歳で自分の歯は26本です。しっかり、大切にしてゆく積もりです。

そもそも、歯が抜けるのは、歯そのものに問題があるというより、それを支える歯肉と歯に異常があります。これらの原因の大部分は歯周病です。歯周病は生活習慣病のひとつでして、非常に重要なので、これについては後でじっくりと解説したいと思います。

 

しっかり噛んで食べていますか?
食べ物が粉々になり、ネトネトになるまで噛めていますか?

しっかり嚙む。それも食べ物が原型を留めないほど粉砕することはこれから私が述べるほとんど全てに共通して大切なことです。だから自分自身への判定は曖昧ではいけません。

無論、しっかりと自分の歯肉の状況にあった義歯を作ることが大切ですが、自分の歯を長持ちさせて、自分の歯で噛み続けられるようにすることはもっと大切だと思います。

 

 

これまでの問いに少しでも当てはまるところがある方はこれから先もどうぞ、お読み下さい。全く当てはまらない方もしっかりお読み下さい

 

何故、自分の歯が残っていることが大切か

それは、自分の歯こそが物をしかりかみ砕ける頼もしい味方であり、そのような状況にあると言うことは歯肉が健康だと言うことです。歯肉が健康だと言うことは案外厄介者の歯周病になっていない、罹っていても軽症にすんでいるということを意味しているのです。歯周病については後述することは既に述べたとおりです。

 

何故、しっかり噛んで食べることが大切か

まず、咀嚼という行為のもつ意義を考えてみましょう。

●粉砕・膨潤・pHコントロール……食べ物を喉で呑み込まれ易くし、その後に続く消化管を通過し易いように粉砕します。更には、粉砕には効率よく後で述べるエネルギーに変換させるために、早くも口腔内で始まる次に述べる消化行程に必要です。また、食べ物と唾液をよく混ぜ合わせることになります。これにより、食べ物は液化し、胃や腸での分解促進に役立ちます。食べ物の水素濃度pHは酸性、アルカリ性のどちらに偏らず、中和状態になりますので、その結果、胸焼け(食道炎)やびらん性胃炎を防ぐことができます。

●消化……我々の主食の一要素で重要なエネルギー源であるご飯やパンなどの炭水化物(デンプン質)は口の中で唾液に含まれている消化酵素のαアミラーゼによって、長鎖の断片またはオリゴ糖に分解されます。ご飯を食べて、しっかりとかみ砕くと甘みがでてくるはこのためです。ついでながら、もう少しでんぷんの運命を述べておきましょう。かみ砕かれた食物は、唾液とともに胃に運ばれ、次は膵臓から小腸に分泌された別のα-アミラーゼによって消化されます。粉々になり、最終的に単糖(グルコース)へと分解されると、腸管から吸収され、筋肉、肝臓など、全ての細胞で活動に必要なエネルギーを自らが持つ解糖系に入り、エネルギー(ATP)生成に使われます。なお、グルコースは糖を構成する基本的な単位で、よく耳にするグリコーゲンはグルコースが何個もつながったものです。

●殺菌……唾液には抗菌作用を担う物質として、ラクトフェリン、リゾチーム、ラクトペルオキシターゼ、免疫グロブリンなどが含まれています。これらの物質は細菌やウイルスを殺す働きを持っていますので、しっかり噛むことで,唾液に含まれるこれらの抗菌物質と食べ物を混じり合わせることで、外部からの病原菌の侵入を抑えるのです。口の中の雑菌の繁殖を防いでいるのです。唾液の生理機能については、後で改めて説明します。

●腸管蠕動、膵臓機能活発化……腸管蠕動を活発化させ、正常便通の維持に有用です。しっかり咀嚼により消化管ホルモンであるグレリンの分泌が増えるとの研究報告もあります。膵臓ホルモンのガストリン分泌が増えるとの指摘もあります。ちなみに、グレリンは成長ホルモンの分泌を促進し、中枢性或いは末梢性に食欲を促進させ、オレキシンという覚醒ペプチドを活性化するという機能を持っています。朝食はしっかりと嚙んで食べ、歯や歯肉をブラッシングすることがその日一日の活動には欠かさない習慣だというわけです。また、主に胃の幽門前庭部に存在するG細胞から分泌されるホルモン。ガストリンは胃主細胞からのペプシノゲン分泌促進、胃壁細胞からの胃酸分泌促進、インスリン分泌促進などの作用が知られています。よく嚙むことにより、細胞再生や血糖コントロールなどの機能をも高めることができるのです。

●解毒(デトックス)……30秒以上の咀嚼によって、食品中の各種発癌物質(亜硝酸ナトリウム、フラバス、ベンゾピレンなど)によって引き起こされる細胞変異を消失させ、解毒作用、抗がん作用を発揮するという報告があります。従って、逆に食べ物をよく噛まずに飲み込むことにより、これらの発癌物質がそのまま体内に侵入することになりますから、それらが長期間にわたって蓄積すると、癌の発症へとつながる恐れがあるのです。

●脳細胞賦活化…「噛む」という行為が脳を大いに刺激することが知られています。意識して噛むことによって、認知機能と深く関係する前頭前野の活性化が誘発されるという事実があるのです。前頭前野は、思考や創造性を担う脳の最高中枢と考えられ、生きていくための意欲や、情動に基づく記憶、実行機能などをつかさどっています。このことも後述しましょう。

 

健康加齢は「つばぜり合い」してでもゲット

 

唾液つばはただの水ではない、本当の役割を知って欲しい

ついさっきまで、咀嚼は食べ物の粉砕・pHコントロール、消化、抗菌、消化管・膵臓機能活発化、解毒、脳細胞賦活化などの意味があると述べてきました。唾液はこれら全てに関わっています。1日に分泌される量も1.5~2リットルですから、半端な量ではありません。

ここでは、特に重要な「消化」「抗菌」「粘膜保護」「粘膜修復」「歯の保護・再石灰化」「止血」「咀嚼継続」の7作用について述べたいと思います。

●消化

澱粉はグルコースがα-1,4グルコシド結合によって直鎖状に結合したアミロースとα-1,4グルコシド結合とα-1,6グルコシド結合の両者の直鎖を枝に持つアミロペクチンとからなる高分子多糖類ですが、唾液には、澱粉のグリコシド結合を加水分解する酵素であるアミラーゼ (amylase)のうち、α-アミラーゼ (α-amylase)を含んでいます。子供の頃の理科の実験で、ヨウ素液の色調の褐色ですが、ご飯にヨウ素液を加えると青~赤紫色になり、口で噛み砕き、唾液と混在させたご飯にもにったのを思い出しませんか。ヨウ素の分子がデンプンのらせん状に巻いている長い分子の中にとりこまれると、紫色になるのです。ヨウ素デンプン反応といわれています。

よく噛んで、食べ物が細かい状態になっていればいるほど、これらの消化酵素が食べ物によく混ざり合います。口腔内でのα-アミラーゼの働きがより効率的に発揮できることになり、胃や腸での消化も更に容易になるというわけです。

●抗菌

ラクトフェリン、リゾチーム、ラクトペルオキシターゼ、免疫グロブリンなどの細菌やウイルスを殺す働きを持っているタンパク質の一種が含まれています。

カンジダという真菌はカビの一種ですが、人体と共存しています。常在菌と呼ばれ、どんな人も保有しています。口腔内、眼瞼角膜も例外ではありません。舌の上に存在し、通常はラクトフェリンという「天然の抗生物質」と呼ばれる唾液成分によって繁殖は抑えられています。体内の免疫力が落ちたり、唾液の量が少なったりすると、途端に増え、舌苔と呼ばれる白色調の苔状の付着物として気付かれることがあります。カンジダ真菌の繁殖が原因の場合があり、口臭の原因になったりします。重症化すると、舌がひび割れたり、うろこ状になったりし、疼痛、味覚異常を惹き起こします。舌が痛くなる舌痛症や唇の横が切れる口角炎などはカンジダ真菌などによる感染症である場合が多いので、注意してください。

これらの抗菌物質は唾液以外には涙、母乳に多く含まれており、歯周病菌、ヘリコバクタピロリ菌、インフルエンザ、肺炎球菌など、さまざまな感染症に対して、抑制効果を発揮することで知られています。

子供の頃の記憶で、すり傷をつくると、消毒と称して、舐めた、つばをチョコットつけたりしたことはありませんか?動物もケガをすると、傷口を自分や仲間同士で舐めたりしていますね。これらは、気休めではなく、実は根拠があることなのです。唾液は止血や感染防止、更には後述する細胞再生(創部修復)をもらすと推察されます。

乾燥症候群の患者や高齢者ではラクトフェリンの分泌が減る傾向があります。高齢者が上記の起炎菌による感染症にかかりやすいひとつの原因に唾液量の不足が考えられるので、外から帰ったら喉の奥までも意識した十分なうがい、入念な手洗い、眼洗浄は欠かせません。外出時のマスク着用も不可欠です。更には、日本古来の伝統保存食である梅干しや、保存調味料であるクエン酸を日々の食生活に加えることによって唾液分泌量の増加を計ることも必要です。

ところで、濃厚なキッスも結構ですが、案外、危険ですので、必要な場合は口腔を清潔に保持している相手に限定してください。日頃からDDS (Doctor’s Detox Solution)でお口の洗ったり、唾液腺マッサージなどで唾液を増やす心がけもお勧めです。

●粘膜保護

唾液はネバネバしていると思いませんか。少しお行儀が悪いのですが、つばを吐くと糸を引きますね。このネバは唾液に含まれるムチンという分子量100万~1000万の、糖を多量に含む糖タンパク質のせいです。お陰と言った方がよいかもしれません。粘膜保護作用を持っているからです。

唾液中のムチンで刺激性の強いものや熱いものを包みこんで、食べ易くしたり、少々角ばったり、突き刺さりそうな骨があって、のどや食道、胃を傷つけずに済ますことが出来ているのです。また、口腔粘膜を始めとする消化管、気管支、肺など外と接しているところからの細菌やウイルスなが病原微生物の体内侵入からも守ってくれています。

このような生体を外敵から守るために重要な役割を演じているムチンは唾液だけに存在すのではありません。気管、食道・胃・腸などの消化管、生殖腺、目など、粘膜の表面は、必ずと言っていいほど、ムチンによって被覆されています。涙にもムチンが含まれています。

胃がpH 1 – 1.5 という通常なら組織破壊を起こすような強塩酸を含む胃酸に晒されていても、溶けたり、潰瘍にならないのは胃の粘膜がムチンで覆われているためなのです。ムチンは粘膜を潤し、粘膜の損傷を防いでいるのです。ところが、酸に強いヘリコバクタピロリ菌に感染したり、暴飲暴食がたたり、ムチン層が破壊されるといとも簡単に胃潰瘍や胃炎になってしますのです。鼻の粘膜にしてもムチン層を保持することで、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりにくなると言われており、私は鼻腔洗浄やムチン点眼をインフルエンザの極期は励行しています。

納豆、オクラ、山芋、サトイモ、モロヘイヤ、なめこ、、昆布、エチゼンクラゲ、などのネバネバした食べ物全般にムチンは多く含まれています。私自身が習慣的に摂取しており、粘膜保護に有用と感じています。

●止血

唾液の中には、血管の壁や血小板に存在する血液凝固因子であるトロンボプラスチンによく似た物質が含まれているために、止血作用が発揮されます。口腔内が魚の骨が刺さるあの傷ついたり、抜歯や歯肉を傷つけることがあっても、いとも簡単に止血されるのは、このような止血物質の作用に因ると考えられています。怪我の出血傷をなめて血を止めたという子供頃の記憶は記憶として、口腔内に既述の常在菌を棲まわせている状態では実行することはむしろ不潔で、細菌感染の原因となります。まさかの場合のためにも常に口腔内は清潔に保持しましょう。

●粘膜修復

生命存続という生物の本能を達成するためには、食物が口からキチンと入り、消化管でキチンと消化され、栄養素が体内にキチンと取り込まれなくてはいけません。

食物の通過路は絶えず、健常に維持されてなくてはいけません。そのために前項で述べた防衛ラインとしてのムチンがありますが、当然、損傷というアクシデントへの対策も予め必要です。それが口腔に続く消化管粘膜の修復です。修復のために、唾液腺には上皮成長因子EGF(epidermal growth factor)、インシュリン様成長因子IGFⅠ(insulin-like growth factorⅠ)という強力な細胞修復、再生因子をいうたんぱく質を作らせる機能が備わっているのです。当然、唾液にはこれらの成長因子が含まれています。

EGFは口や胃の粘膜はもとより、皮膚や髪・爪、血管など多数の細胞に対して細胞分裂を促しす結果、強い増殖作用を示します。つまり、EGFは消化管損傷を受けたときに、その胃酸分泌抑制作用とともに腸管上皮の修復に関与するのです。その他に、プロスタグランディン産生促進,プロラクチン産生刺激,ステロイド産生抑制,骨吸収促進作用などが知られています。

IGFⅠはその受容体がインスリン受容体と同様にほとんど全ての組織に証明されています。これらの組織の細胞に対するIGF単独の細胞増殖作用は強くなくても、組織に特異的に作用する他の成長因子を増強することが証明されています。例えば、ラット甲状腺株細胞の増殖に対して,IGF-1とTSHは相乗的に作用するし、動物の一側の腎臓を摘出すると対側の腎臓の代償性肥大が惹起されることは有名ですが、これには腎成長因子が関与しています。肥大腎組織のIGF-1含有量は対照に比して有意に増加していることが明らかになっています。IGF-1は唾液腺自体で産生されていると考えられます。ここで作られたIGFⅠの体内動態は分かりませんが、少なくとも、paracrine factorとして直接的に口腔内損傷や消化管損傷の修復に関与している可能性はあると考えています。また、IGFⅠが多く放出されればされるほど、生理的に備わったインスリン作用によって血糖値が下がります。しっかり嚙んで唾液分泌が多くなるほど、糖尿病の予防や改善に役立つことになるのです。これらの詳細はコディネ秋季号2012に述べているので、参照してください。

●歯の保護・再石灰化

女性に多いシェーグレン症候群は乾燥症候群と言われ、唾液腺が壊されて唾液の分泌が低下しているために、惹起されることで知られています。本症では著しい目や口腔、喉の乾燥だけでなく、虫歯、歯周病、カンジダ症などを起こしやすいという特徴を持っています。十分な唾液がないために、歯の保護作用が失われ、虫歯や歯周病になり易いのです。

また、唾液は、カルシウムやリン酸、フッ素なども含まれており、これらが歯の表面のエナメル質を修復(再石灰化)に関与するので、口腔内の洗浄と歯の表面の清潔化が図れるなら、多少の虫歯は修復可能ですし、歯根に破壊があっても歯周病菌を死滅しておけば、歯根の再生も可能になるのです。DDS(Doctor’s Detox Sokution)はこのような口腔内の洗浄、歯の表面の清潔化、歯周病菌の繁殖抑制などが期待されます。

 

●咀嚼運動持続

生命存続という生物の本能を達成するためには、食物は口で咀嚼され続けなくてはいけません。そのためには、咀嚼運動の継続を命令する中枢である脳機能が確かでなくてはいけません。これらのことを保証するために口腔機能と脳機能は密接な連携機構を構築しているのです。

前出の斉藤一郎先生の著書によりますと、このことを示すマウスを使った興味深い実験があるとのことです(不老は口から~アンチエイジング最前線~光文社;2005)。

一つは、成分の等しい硬性飼料と軟性飼料によって、よく咀囑する群と咀囑しない群のマウスを育て、条件回避や迷路学習を行ったところ、よく咀囑する群は咀囑しない群に比べて確かに学習効果が向上すること、咀囑が脳の老化を遅延させる効果が明らかであったというのです。

二つ目は、奥歯を抜いたマウスと抜歯しないマウスのグループに分け、一度入ったエサ置き場に再度入ることなく、効率よくエサを取ることを学習させるという学習記憶能力について調べましたところ、抜歯しないグループは時間が経つにつれ、効率よくエサを取ることができたのに対し、歯を抜いたグループはやはりうまくエサが取れなかったという結果が示されました。実験後の病理解剖でも、記憶を司る海馬の神経細胞が、抜歯したマウスでは著しく減少していたというそれまでのデータの裏付けになる所見が得られています。

これらのことから、歯が抜けたりして噛み合わせが悪くなり、噛む行為が十分にできなくなると、脳は活性化する機会を大きく失い、やがて退化していくという臨床現場で経験する事実には大いに信憑性があると判断できるのです。しっかりとした咀嚼は老化防止につながり、認知症予防になると言うわけです。しっかりした咀嚼を継続して質のよい生命の持続を果たすためにはしっかりした脳機能が必要なのです。

また、噛むことで脳が活性化するもうひとつの要素に、じつは唾液の働きがあります。唾液に含まれている神経成長因子NGF(nerve growth factor )によるものです。

NGF

唾液腺はNGFと呼ばれる成長促進物質を分泌しています。NGFは、神経細胞の修復作用を促す作用、神経細胞の生存を維持する作用、脳の損傷を修復する作用、脳神経の機能を回復し脳の老化を防ぐ作用などという働きをします。よく噛めなくなると老化のスピードが速まるといわれていますが、その一つの原因に、このNGFの存在があることは間違いありません。噛むことがうまくできなくなり、唾液の分泌量が減ると、NGFも大幅に減るわけですから、脳細胞が修復されなくなり老化が一気に進む、という理屈です。NGFが十分に分泌出来るようにしておけば、脳細胞の老化があっても修復され、咀嚼機能も継続されることになります。唾液がしっかり分泌されることは、認知症(痴呆症)の予防にも効果があるという理屈も十分に通りそうです。

 

おわりに

「口は災いの元」「口は災いの門」とよく言いわれます。もしそれがそのまま当てはまる事があるとすれば、口腔内が不潔になっているときです。その場合は文字通り 「口は災いの元」「口は災いの門」です。しかし、DDS(Doctor’s Detox Sokution)で口腔ケアが実行されたなら「口は幸せの元」「口は幸せの門」に変わります。

今後は、口腔だけでなく、皮膚の清潔維持が期待できるDDS(Doctor’s Detox Sokution)の応用についても私のブログで更に詳細に言及してゆきますので、お楽しみに。

なお、DDS (Doctor’s Detox Solution)は江戸川病院、メディカルプラザ江戸川、メディカルプラザ篠崎駅西口、メディカルプラザ小岩駅でのみ入手可能です